売上高は増えているのに利益が増えていない
EC事業を展開していると、売上は大きく伸びているのに利益・キャッシュが増えている気がしないという経験を持たれた方も多いのではないかと思います。特に楽天市場のように、項目によって費用の請求月がバラバラなECモールだと、売上と広告費用、販売手数料が連動せずに月ごとに利益が大きくブレてしまいます。そのためいくら利益が増えているのかわからないまま、広告宣伝費に大きく投資をして、売上高を増えているものの利益が出ていないような事態が発生してしまいます。
そのため、ストアレコードでは限界利益ダッシュボードとして、各店舗やブランドなど絞り込みを行い、会社・店舗・ブランド全体の限界利益を確認するダッシュボード機能を提供していました。
またスプレッドシートで楽天市場の限界利益が管理できるフォーマットを無償で提供し、限界利益管理の重要性について発信してきました。
■楽天市場_限界利益フォーマットダウンロード
https://service.storerecord.jp/document/03
商品別限界利益ダッシュボードの概要
今回、商品別限界利益ダッシュボードをリリースしましたが下記画像の通り、期間指定を行い、ブランド・店舗・カテゴリで絞り込みを行い、対象商品の限界利益を確認することができます。また前年も販売している商品があれば比較期間を指定して限界利益および限界利益率の増減をみていただくことも可能です。
商品別に限界利益管理するメリット
今回、新たにリリースした商品別の限界利益管理機能により、下記のような意思決定をスムーズに行うことができるようになります。
1.利益貢献していない商品の廃盤・価格改定の意思決定
売上総利益だけでなく、広告宣伝費を考慮した限界利益および限界利益率を確認し、利益貢献していない商品については廃盤するかどうかの意思決定が必要になります。よくあるケースとしては原価率は高いものの、集客力も高いため、値引きや広告に頼らなくても売れるだろうと見込んだコラボ商品や型番商品が実際には広告もしないと売れなかったケースなどが想定されます。
粗利率だけ見ていると、コラボ商品や型番商品に関しては粗利率が低くてもある程度プラスならOKと甘めに判断しているものの、広告費を考慮すると大幅にマイナスになっており、継続すればするほど赤字になってしまうという商品を簡単に抽出することができるようになります。
2.商品継続の意思決定
ストアレコードの商品別限界利益のダッシュボードでは期間指定を行い、商品ごとの限界利益および限界利益率の比較を行うことができます。
商品継続の意思決定の際に売上だけでなく広告効率も含めた限界利益の増減を元に判断するとより精緻な意思決定が可能になります。
例えば売上・売上総利益率ともに昨年と同程度だった商品でも、広告効率が悪化しており、昨年同様の売上・売上総利益率をキープするために大量の検索連動広告を使用したといったことはありえます。そうした商品については商品の継続をすべきかどうか、翌年も広告費を使わないと売れない商品なのかといったことを加味して売上総利益しかみないよりもより制度の高い意思決定が可能になります。
3.発注数量の意思決定
限界利益に加えて消化率も加味して、商品別の発注数量の意思決定にもお使いいただくことが可能です。
限界利益率高い | 限界利益率低い | |
消化率高い | 主力商品として増産 | 減産して限界利益率アップ |
消化率低い | 減産して利益率確保 or 数量キープで利益率下げる | 減産 |
上記のように限界利益率と消化率のマトリクスで発注数量の意思決定をすることが可能です。売上総利益率だけでなくここでも、広告費を加味した限界利益率で商品の実力を判定することでより精緻に利益貢献度の高い商品で仕入を構成することが可能になります。
最後に
商品別の限界利益の算出は、広告費や販売手数料、物流費用の按分も含めて、Excel・スプレッドシートで集計しようとするとデータ量も作業量も膨大になりがちです。一方でストアレコードをご利用いただき、費用の自動集計機能を使っていただくと概算値にはなりますが、かなり簡単に商品別の限界利益をご確認いただけるようになります。
ぜひ商品別の限界利益ダッシュボードをご利用いただき、売上だけではない「利益ベース」の経営の意思決定をしていただければ嬉しいです。