直接貿易に伴う原価管理は難易度が高い
直接貿易を行い、工場から外貨送金で商品を仕入れている事業者様にとって、原価管理は難易度が高く、精緻な管理ができていないケースが多いと思われます。
精緻な原価管理を諦めて商品マスタの想定為替レートと、関税・国際送料・輸入諸掛などは想定したレートを元に商品原価を概算値で管理して、売上総利益を出して、決算期末に想定レートと実際の入出金の差額を為替差損として計上して決算を締めているケースも多いのではないでしょうか。
一方で小売事業者の多くは利益率がそこまで高くなく、精緻な原価管理を行わないと黒字だと思っていたものが、原価率が1%ズレることで赤字に転落してしまうケースもあります。商品原価がしっかりと管理できていないと年度決算が締まるまで黒字なのか赤字なのかわからず、適切な投資やコストカットの意思決定が難しくなってしまいます。
為替の変動含めた原価を管理した上で商品ごとの限界利益を見ながら、クーポンや値引きの意思決定を行うことで、しっかりと利益を残しながら、在庫の適正化をはかる経営の意思決定が可能になります。
ストアレコードにおける為替・関税・輸入諸掛の管理機能
ストアレコードでは、為替・関税・輸入諸掛などをInvoice(インボイス)ごとに登録、SKU(商品明細)ごとに商品合計金額に基づき、按分計算を行い、商品ごとの正確な原価を計算する機能を実装しています。
具体例
商品A~Cを上記の通り、ドル建てで仕入れたものとすると商品単価はそれぞれ上記の通りになります。その上で、輸入諸掛が下記の通りかかっていたとします。
その場合には下記の通り商品合計金額を元に輸入書かかりの金額が按分され、按分後の商品単価が計算されます。この按分後の単価とこれまでの仕入を考慮して、平均原価計算を行い、商品原価を算出し、在庫金額の計算が行われます。
Invoiceごとに為替レート、関税、送料などの保存を行うことができるため、為替レートの変動や船便・空便による国際送料の違いなども反映させて、精緻な商品原価の管理が可能になります。
システムに登録する前の運用フローの整備
一方でシステムで管理しているとはいっても、これまで概算値での管理しかしてこなかった事業者様だとどの書類のどの項目をシステムに登録すればよいのか検討がつかないというケースもあるかと思います。ストアレコード運営事務局では、コンサルティングサービスも提供しており、月額費用をいただくことで、システム登録前の運用フローの構築までご支援しております。
Invoiceと輸入許可通知書の記載内容を元にSKUごとに関税・消費税・地方消費税・通関料・国際送料および通貨、外貨単価、為替レートを入力し、システムにアップロードする運用フローの構築までをご支援させていただいています。
最後に
正確な原価管理は、利益率の低い多くの小売企業にとって非常に重要ではあるものの、為替レート・関税・輸入諸掛などが関係すると煩雑がゆえに管理しきれていない事業者様も少なくないかと思います。システムを導入しようにも既存のERPでは費用的にもある程度してしまうため、躊躇してしまうのではないでしょうか。ストアレコードでは発注と納品機能の管理のみに使うのであれば月額2万円(税抜き)でご利用可能です。正確な原価管理とそのシステムにお悩みの企業様はぜひ一度ご検討いただければと思います。